
【後編】建築×教育コラボ企画!子どもの勉強に役立つ家づくり―…
家づくりコラム
家づくりコラム
こんにちは!御前崎市で大工が作るマイホームを手掛けている廣畑工房です。
もうすぐ新年度のはじまりですね。ランドセルや制服は準備できましたか?持ち物への名前書きは終わりましたか?
子育て世帯の家づくりでは、子ども部屋をどうするか、どこで子どもに宿題や勉強をさせるかなど、みなさんよく考えられます。
今回は、建築のプロ・弊社廣畑工房の廣畑親方と、教育のプロ・学習塾を運営する株式会社CbyEDTECHの山本代表と、「子どもの勉強に役立つ家づくり」をテーマに対談しました。子育てに役立つ家づくりのヒントになるかもしれません。ぜひご覧ください!
親方:最近の子育て世帯の家づくりでは、子ども部屋に机を置かずに、リビングで勉強するお家が多いんです。自分もそんな親の一人ですが、親の目が届くのは良い反面、家族の話し声やTVの音など、ガヤガヤとした雑音が勉強の邪魔になることはないんでしょうか?
山本:リビング学習の良し悪しは、私も関心のあるテーマです。音があることで集中できるかできないかは、正直そのお子さん次第かもしれません。
例えば、シーンとしている方が気が散ってしまい、冷蔵庫を開けてみたり、不必要にトイレに行ったり、立ち歩いてウロウロするような子もいます。 おそらく、未就学からリビングで何かをしてきた子は、音も含めたその環境が当たり前で気にならないのでしょうね。
親方:リビングかどうかは別として、他にすごく気になるのは、音楽を聴きながら勉強するというのはどうなんでしょう?音楽を聴きながらなんて、きちとんと身になるんでしょうか?
山本:それも、とてもよく聞かれる質問です!
実は、一概に悪いは言えません。暗記モノを習得するコツとして、「紐づけ」が挙げられます。分かりやすい例は、「イイクニ(1192)作ろう鎌倉幕府」と年号を覚えた人も多いと思いますが、これも西暦という忘れやすいものを語呂合わせという形で紐づけをして、思い出しやすい知識に変えているわけです。
音楽もその紐付けのひとつで、時に「この音楽を聴いていたときにこの勉強していたな」と思い出すきっかけになることもあるので、成績が安定しているのであれば、問題ないかと。先ほどの雑音も同様のことが言えますよね。
親方:なるほど!雑音も音楽も、音が勉強によい効果をもたらす場合もあるのですね。
山本:リビング学習は、実は音以外にもっと懸念すべき問題があるんですよ!何だか分かりますか?
親方:なんだろう?みんながやっていることだから、デメリットなんて考えもしなかったです。
山本:それは、“親の目が届く”ということです。それって、本当に子どものためか?ということを、一度よく考えてみてください。
子どもが宿題や勉強をしている姿を見て安心するのは親で、実は自分自身のためなのではないでしょうか。 親方:確かにそうかもしれない!見ていれば当然口も出したくなって、親子喧嘩に発展したりすることもありますよね。それはかえって、子どもの邪魔をしているかも……
山本:親が近くにいると、何かあれば親を頼り、分からないことを聞いて、子どもが自分で調べる機会を無くしたり、学校の先生を頼らなくなったり、自発性の欠如や内申点の低迷など、別の弊害が起きることもあるんですよ!
親方:これまで、リビングに子どもが宿題をできる机を造作したり、ランドセルの収納を備えたりしていましたが、家を建てる親にとって都合がいいだけでなく、子どもにとってどうあることがタメになるのかをより考えた家づくりを、改めて提案していきたいですね。
次回、【後編】建築×教育コラボ企画!子どもの勉強に役立つ家づくり―成長に合わせた子ども部屋、へ続く。